平成13年度 (2001年度)

 就任ご挨拶 ・・・ 会長 横山 健次
 大学と同窓会のつながり ・・・ 副会長 臺信 建二
 広島工業大学が目指すところ ・・・ 学長 櫻井 春輔
 平成13年度活動方針




横山健次氏 就任ご挨拶
 ※広島工業大学同窓会報第35号より

会長 横山 健次


同窓生の皆様,お元気でご活躍の事と,お慶び申し上げます。

私は,去る4月21日,広島工業大学同窓会第36回総会に於て,第四代会長を拝命致しました,昭和44年建築学料卒業の横山と申します。斡事,役員を始め会員の皆様の御協力を賜りながら,同窓会の発展の為,微力ではありますが精一杯努めさせて戴きますので,どうぞ宜しくお願い申し上げます。

さて,私達広島工業大学卒業生は,29,545名にも膨らみ,国内はもとより海外でも活躍して居られます。

これまで,初代中原重男氏,第二代永見憲吾氏,第三代道田憲治氏と伝統を継承しつつ同窓会も今日ある姿に基盤を築きあげてこられました。
同窓会組織の充実,同窓会誌会報の発行,同窓会会員名簿の発行,電算化,支部結成の奨励,援助,母校と同窓会の協力体制の確立等々,それぞれそれなりの成果は見られ,過去のおかげで今日は存在して居ります。

又広島工業大学は真面目な教育実績と卒業生の努力,奉仕のおかげで社会の高い評価となって現われて居りますが,しかし,少子化の進む現状の中で,大学のレベルを維持する為に,学生数の減少も考慮に入れてこれからの将来を見つめなければなりません。

その為,本年新しく同窓会の将来を考える為に4人の副会長を中心に4つのプロジェクトをつくり,会則や財務,各種事業や総会のあり方等々具体的に検討することと致しました。1年間協議を重ね,同窓会会員にとって意義ある組織,参加したくなる魅力ある組織を模索して行くつもりです。会員の皆様からのご意見も事務局へ送っていただければ幸いです。

今,時代の流れの中で広島工業大学も変わろうとして居ります。しかし,私達の学んだ建学の精神「教育は愛なり」教育方針「常に神と共に歩み社会に奉仕する」は決して変わることはないと信じて居ります。

同窓生の皆さん,広島工業大学の卒業生であることに誇りを持って,大いに社会へ奉仕しようではありませんか。そうした会員一人一人の成功が大学の評価を高め,大学の発展に貢献できると確信致します。

皆様方のご活躍を心よりご祈念申し上げ,就任のご挨拶とさせて戴きます。

又同窓会でお会い致しましょう。



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臺信 建二氏 大学と同窓会のつながり
 ※広島工業大学同窓会誌第35号より

副会長 臺信 建二


21世紀を迎え、同窓会々員の皆様は新たな希望を持って発進された事と存じます。

長引く不況の中、経営に、仕事に大変難しい時期です。特に広島は大手企業の事業改革等で空洞化の様相を呈して来ており益々厳しい事態になっております。

これにより広島に有る大半の企業が大なり小なり影響を受けリストラや合理化で余剰人員が増加している現状で、大学卒業生の求人も少なくなり関係者は苦慮されていると聞いております。

今後、大学と同窓会のつながりが一層必要とされる時期に来ていると思われます。

しかし現状の大学と同窓会のつながりはどの様な物なのでしょうか。つながりと言っても明確に説明出来る物は無くぼんやりしているのではないでしょうか。

はっきり言って、大学から見れば同窓会は有っても良いが、別に無くても困らない程度の物だと思います。

反対に、同窓生から見た大学も、出身校だから無くなると寂しいが、だからと言って有っても何か良い事が有るわけでもないし程度の事で、大半の同窓生は卒業後は大学と無縁になっていると思います。

つながりを作る方法には色々有るでしょうが、一葉として大学技術の世間への橋渡しが有ると思います。

最近、大学の先生や学生の研究を商品化したり、起業したりする事がよく開かれる様になってきました。広工大でも衛星を使った画像処理データを売りに出されるとの報道がされておりましたが、学内にもっと世に出せる技術が有ると思います。それらを商品化したいとか、それを基に起業したいという先生や同寄生もいる事でしょう。

この様なTLO的な方法を確立しても良いのではないかと思っております。その為には同窓会が仲立ちをして双方を引き合わせる手助けが出来る様なシステムが必要になりますし、それらの技術をどこかで公表出来る場も必要になります。

それを同窓会と大学、協同で実施する事が出来ればこれに越した事は有りません。逆に、同窓生(企業)が必要ニーズを提議し先生や学生がチョイスして開発プロジェクトを組むという形も考えられます。

いずれにしても産学協同が盛んに言われて、公的資金も出易い今の時期に一時も早くこのようなシステムを作る事が必要なのではないでしょうか。

大学で何が出来るのでしょうか。技術はどの様な物を保有しているのでしょうか。一般企業に対してどの様な物(技術)が提供出来るのか具体的に表現出来る場を、また同窓会からは会員が産学協同でやりたい事や、技術研究依頼が出来る様に会誌、会報に載せたり、ホームページに出す等気楽に問い合わせコンタクト出来る様に広報活動をします。

このようなシステムが有れば大学と同窓会のつながりも有る部分はっきりしてきて双方のメリットが出せ、全体のつながりに波及すると考えます。

今後益々少子化、高齢化が進んで行く中、特に大学と同窓会双方が無くてはならない存在になる事が望ましい事だと思います。

大学を未来永劫存続させる為には社会貢献をして地域と密接な関係を保って行かねばなりません、お山の大将では疎外されかねませんし大学の人気も無くなり、受験生も減少して行く事になります。学内残留の同窓生は特に自分の職場で有る事を充分考慮して同窓会に関心を持って積極的な活動をお願いしたいです。

所詮我々同窓生(学内、学外、問わず)は自分の生活が大事なのですから折角あるつながりを相互に活用し強固な関係にする個々のつながりが一つにまとまり大学、同窓会双方が生き残り、社会貢献にもなり存続を確実にする物と確信しております。

同窓生の皆さん、もっと母校に関心を持ち、同窓会に関心を持って、行事、運営に積極的に参加して項きますようお願い致します。



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櫻井春輔氏 広島工業大学が目指すところ
※広島工業大学同窓会報第35号より

学長 櫻井 春輔

広島工業大学同窓生の皆さん、21世紀を迎えますますご活躍のこととお慶び申し上げます。また、今春、工大を卒業し同窓会の会員になられた皆さん、ご卒業まことにおめでとうございます。社会に出て希望に胸を膨らませ、それぞれの職場で元気に仕事に取り組んでおられることと思います。

広島工大の先輩がおられる職場では先輩諸氏から数々の教えを頂いていることでしょう。また、先輩のいない職場でも各地に同窓会支部がありますので、ぜひ、同窓会支部の催しには積極的に参加し、先輩と出合い、情報交換を行って頂きたいと思います。もちろん、そこでは同級生の友人との再会も楽しみです。とにかく、広島工業大学の同窓生として互いに連携をとりながら工大卒業生としての誇りを持って社会に貢献して欲しいと思います。

本学は創立以来40年近い歴史を持つ中四国有数の工科系大学として発展してきました。卒業生は現在28000名を越え、広く各界で活躍されています。創立初期の卒業生はすでに各界のリーダーとして活躍しておられます。大変心強く嬉しく思います。

さて、21世紀を迎え、社会の仕組みがいま大きく変わろうとしています。その中で高度情報化ならびに国際化をキーワードとして多くの分野において既成緩和が進み、独創的な発想による創造的な仕事が容易に出来る環境が整ってきました。

もちろん、そこでは、いままで以上に個人の尊重ならびに責任が要求されます。すなわち、個々の責任のもとに自由に競争することが可能になってきたと言えます。

大学においても、大学審議会が「21世紀の大学は競争的環境の中で個性が輝く大学を目指さなければならない」としています。すなわち、個々の大学がそれぞれの建学の精神並びに教育方針の下で、特色ある教育研究を行うことが要求されるわけです。

いま、わが国の大学は18才人口の急激な減少、国立大学の独立行政法人化、国際化、さらには低迷する経済など、非常に厳しい環境下にあります。また、大学に対する社会のニーズも時代とともに変化しています。

このような厳しい状況の中で本学がさらに個性の輝く大学の実現を目指すためには、今後より一層の教育研究の充実をはからなければなりません。

本学は平成12年4月から工学部を改組転換し、電子・光システム工学科、電気・ディジタルシステム工学科、機繊システム工学科、知能機械工学科、知的情報システム工学科および建設工学科の6学科としました。したがって、環境学部の環境デザイン学科および環境情報学科と合わせて、2学部8学科編成となりました。

同窓生の皆さんの中には、学科名が変わり大学への愛着すら失ったと悲しむ声も聞こえてきます。しかし、ここで強調したいのは、名前を変えても、建学の精神「教育は愛なり」と教育方針「常に神と共に歩み社会に奉仕する」は不変です。また、それぞれの学科の内容も従来のものを更に充実させたものです。

21世紀においてわが国がさらに発展するためには、科学技術創造立国を目指さなければなりません。そのためには、従来の学問分野はもちろん、学際的な新しい分野において独創的な発想をもって仕事のできる人材の育成が急務です。

このような社会のニーズならびに高度化する科学技術の学際化、統合化を考慮して本学は改組転換を行ったわけです。したがって、従来の学科が無くなったのではなく、さらに時代に適合するようにカリキュラムの変更を行った結果として学科名が変わったわけです。卒業生の皆さんにはこのことをご理解頂き、これまで以上に本学に対してご支援賜りたくお願いいたします。

大学に入学する学生は非常に多様化しています。今後この傾向はますます強くなるでしょう。学生が大学に期待することは非常に幅広いものになってきています。このような学生の多様化に対応して、教育の内容はもちろん、教育方法も含めた教育のあり方を検討することが急務であると思います。

教育の方法においては、情報技術(IT)が大きな役割を演ずることになるでしょう。一方、国際化の波はインターネットの普及によって一気に加速しました。

英語が国際語になり、英語が使えなければ的確な情報が得られないと言ったことも生ずる可能性がでてきました。従来、英語は海外と取引のある商社などに勤める人か、海外で勤務する人のみに必要なものであると考えられていたと思います。

しかし、これからは、外国企業などと関係が無くても、国内の仕事の中で情報収集のためにインターネットを使いこなす必要があり、そのために英語が必須になってきました。このような状況を考えると、広島工大においても英語の教育が今後ますます重要になってくると認識しています。

さて、本学における研究面においては、文部省の私立大学ハイテク・リサーチ・センター整備事業および学術フロンティア推進拠点として選定された四つの研究プロジェクトが稼動しています。すなわち、人工衛星高次利用技術に基づく環境・防災等の社会基盤情報システムの開発研究、知的機能保有型材料・機器の開発研究、超高速強塑性加工における変形機構の研究と新加工技術の開発、および、高精度地球環境情報生成技術に関する研究です。

これらのプロジェクトに関連して最新鋭の研究施設、設備、装置などが整備され、それらを用いて最先端の研究が進められています。

人工衛星を用いた地球環境情報生成技術の研究に関連して設置した直径13mのパラボラアンテナは新聞等にも紹介されましたので、皆さんもよくご存知のことと思います。このような特色ある最先端の研究の成果によって社会に貢献できる大学を目指しています。

最近は、大学における研究成果をシーズにして、それを育て、ベンチャー企業を起こすことが期待されています。また、大学と産業界との産学協同の研究が奨励されています。さらに、大学が地域社会のシンクタンクとなって地域の発展のために貢献することができればと思っています。

卒業生の皆さんの中で技術的に難しい問題を抱えておられる方は、気軽に母校にコンタクトをしていただければ、関係する分野の教員をご紹介いたします。その場合のコンタクト先は在学時代の指導教員でもよろしいし、また、広島工業大学総合研究所に問い合わせて頂ければと思います。そして、その結果、技術指導や共同研究など双方にとってメリットのある方向に進展することを願っています。

これからの工学分野における教育研究は科学技術の高度化によって、より高いレベルが要求されてくるでしょう。したがって、今後は大学院における教育研究がますます重要になります。そのためにも大学院の充実が重要な課題です。本学の大学院は工学研究科博士前期および後期課程ならびに環境学研究科修士課程を有しています。

今春、両研究科から博士前期課程ならびに修士課程を修了した合わせて70名近い学生が社会に巣立っていきました。また、博士後期課程においても博士の学位を取得した人材が誕生しました。喜ばしいことです。

本学も今後はますます社会に開かれた大学を目指さなければなりません。生渡教育として、社会人入学も活発化することが予測されます。これからは、大学において、いつでも、いつからでも学ぶことができる時代になることでしょう。

卒業生の皆さんも卒業後何年か経って、また大学に戻り、さらに勉強して自分を磨き、人生の更なるチャレンジに結びつけること、あるいは、人生を豊かに生きることも視野に入れて欲しいと思います。

本学の大学院後期課程においては、論文博士、すなわち論文を提出して、その論文によって博士の学位を取得する事もできます。したがって、同窓生の皆さんも卒業後永年にわたり研究に従事された方は、その研究成果を論文に取りまとめ学位を取得することも可能です。

大学はいま少子化による18才人口の減少のもとで入学生の確保に苦慮しています。また、同時に、卒業生の就職も低迷する経済状況のもとで非常に厳しい状況にあります。もちろん、教職員一同、学生と一体となってできる限りの努力を行っていますが、特に、就職に関しては、社会でご活躍の同窓生の皆さん方の暖かいご支援とご協力を賜りますようお願い申しあげます。

同窓生の皆さん方と大学教職員が協力し、21世紀の広島工業大学がますます輝きを増し発展することを願っています。

最後になりましたが同窓会のますますのご発展を祈念いたします。



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平成13年度(2001年度)活動方針

(1) 会誌、会報の発行

(2) 同窓会名簿の発行ならびにメンテナンス

(3) ホームページの活用

(4) 支部活動
  • 支部との連携
  • 支部結成の推進
(5) 在学生援助

(6) 同窓会業務の大学との連携

(7) 財務状況の検討

(8) その他同窓会の発展に必要と思われる事業

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