平成15年度 (2003年度) |
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同窓生の皆様方におかれましては、清々しい新年をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。 さて、過ぐる年を振り返ってみますと、未だ我々が経験したことのない経済不況、又、いつ戦争が起こるかと不安な世界情勢、その中で、相も変わらず無責任で暢気な政治家たち…妙な世の中になったものです。そうした中で我々一人ひとりは一体どのように責任を果たそうとしているのでしょうか?この街の、この国の、この惑星の未来を誰に託しますか?少数の指導者の責任に委ねようとしていませんかP 我々日本人は、何かの問題を解決しようとすると、すぐに「Howto〜」、つまりどうすれぼ良いかを求めます。しかし「Why〜」、なぜそれをするかを考えないと、根本的な解決にはなりません。 日本の場合、これまでは海外に良い手本があったので、それをなぞってきたという所があります。また、それを改良・改善して「日本流」に消化していくことが特色でもありましたが、そろそろ、その手本も無くなってきました。それは自らが創り出さざるを得ない状況になったと言えます。そういう意味では、この度の田中耕一氏のノーベル賞は日本人に勇気を与え、我々日本人に自信を取り戻させてくれるキッカケになったと思えます。 日本という国は、良い答えを出す人に良い点を与えるから駄目。本当は、良い質問をした人に良い点を与えれば、情報量も増え、その人の伸びにも繋がります。そういう人を育てたり、評価していくことが大切なのです。そうしなければ、新しい価値を創り出すことが出来ないと思えます。 我々は、大学を卒業して社会に巣立っていきました。大学は単に、青春の思い出の場所に過ぎないのでしょうか? 大学は今、新たな生渡学習大学への道を模索しています。学生時代はカリキュラムがあり、授業科目が用意されていました。しかし、我々社会人にはカリキュラムはありません。周りのすべてが学ぶべき対象の科目のようなものです。その中で、自らの意志で学びたいものを学ぶ。まさに生涯学習大学は、自分の大学、私の大学となり得ます。 広島工業大学は、特定科目を学ぶ科目履修生、特定の研究を行う研究生、専門分野を深く学び研究する大学院(社会人入学制度)等があります。同窓会としても、大学への協力は惜しまないつもりです。同窓生にとって、メリットのあるあり方をお願いしていますので、その機会が来た場合、チャレンジしてみてください。そうした中で自らを高め、又、社会の階段を一歩上ることができると確信しています。 いずれにしても、大学は同窓生にはとても優しく暖かい所です。もう一度目を向け足を運んでみてはいかがでしょうか? その敷居をより低くする為にも、同窓会への積極的な参加を切にお願い致します。 最後に、同窓生の皆様方の益々のご活躍とご多幸、ご健康を祈念致します。 ↑ このページのトップへ |
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広島工業大学同窓会が、37回目の同窓会誌を発行されるにあたり、心よりお慶びを申し上げます。間もなく、約1,000名の新たな同窓会メンバーが広島工業大学を卒業して行きます。この若い力が、同窓会の益々の発展に貢献してくれることを期待しています。 さて最近は、小柴昌侵さんと田中耕一さんのノーベル賞ダブル受賞以外には、あまり良いニュースがないように思います。北朝鮮は拉致事件の固有関与を認め、5名の方が帰国できましたが、その後の日朝国交正常化交渉にはあまり進展が見られません。国内の景気は依然として低迷を続けています。少子化は引き続き進み、私学にとっては厳しさが増すばかりです。世界をみても、一昨年のニューヨークでのテロ事件以来、世界の数カ所で爆破テロが発生するなど、世界平和の実現という広島の願いは、まだまだ実現が難しいようです。 そこで、今年は少しでも良いニュースが出てこないかな、という希望を持って干支の羊について調べてみました。すると、漢字の中に“羊”を一部に使ったものは、なかなか良い漢字があることが分かりました。 私なりのこじつけも加えると、例えば、美=美しい、着=新しいことに着手する、群=群を抜く、善=善は急げ、義=義理人情に厚く、養=心を養う、羨=羨ましい、翔=飛翔、祥=めでたいしるし、鮮=新鮮などです。もちろんこれら以外にあまり良くない意味での“羊”を使った漢字があるかもしれませんが、ヒツジが昔は神に供えるいけにえに使われていたことから、羊を一部に持つ漢字には「めでたいもの」「美しいもの」という意味を含んだものが多くあるそうです。今年は、日本経済をはじめ多くの分野で、“羊”を使った漢字に緑のある良い年になってもらいたいと願っています。間違っても“羊頭狗肉”にならないように。 しかし、私立学校を取り巻く環境は、羊を使った漢字とは縁が薄いようです。まず少子化の傾向が止まりません。全国で昨年に生まれた赤ちゃんの数は、115万6,000人で前年より15,000人減少し、二年連続で過去最少を更新したそうです。 また、日本の社会で広まっている“評価の時代”という流れが、教育の世界にも影響を及ぼすようになり、国の教育政策において新たな動きが生まれています。これまで各大学には、自らの大学の教育や研究を点検・評価するという、いわゆる“自己点検・自己評価”が義務付けられていましたが、平成16年開始を目処に、第三者による評価が義務付けられる方向での検討が急ピッチで進んでいます。 この第三者評価制度は、文部科学省に認証を受けた認証機関から、大学教育研究水準の維持向上のために全学的な教育研究等の評価を受けるというものです。これにより、教育研究への取り組み、学生からの人気度などで、大学のランキング化が現れるかもしれません。さらに近年の文部科学省の高等教育関連予算の中で私学への補助金は、各大学へ平等に配分するものは抑制し、特色ある教育研究を実躇している大学には手厚くするという競争的配分の色彩を濃くしています。このことから、本学においては教育研究活動に関する自己改善を継続して推進していくことが不可欠となります。 さらに評価をするという傾向は、大学間の競争激化にもつながってきます。第三者評価制度は、大学で実践している教育研究を評価するのですから、事後評価にあたります。これに対して、これまで大学で新しい学科や学部を設置するときには、文部科学省からの認可が必要となり、厳しい審査が行われてきました。これは、実際には、事前評価を受けていたことになります。つまり、これまでの文部科学省は、事前評価を厳しくし事後評価には重点を置いていませんでしたが、これからは事後評価を重視することにより、事前評価の部分を緩和します。この緩和により、各大学では学生の入学定員を増やすことなく、これまで設置していた学科・学部と類似する学料・学部を設置する場合には、認可ではなく届け出ですむことになります。 例えば、広島工業大学において新しい学科や学部を作る場合、大学全体の定員を増加させることなく、学士の種類が工学と環境学の範疇に入るものであれば、届け出ですむことになります。しかしこれは裏を返せば、全国の私立大学が少子化において学生確保のために新しい学科や学部を設置したいという同じことを考えていることにより、それだけ大学間の競争が一層激しくなるということです。また、国立大学が独立行政法人となれば、国立大学も私立大学と同じ土俵に上がってくることになり、いよいよ戦国時代と言える状況が生まれてきます。 もっとも、このような競争社会の出現は、卒業生の皆さんが働いている業界では昔から当然あったことです。むしろ、これまで倒産などといった競争がなかった教育社会が、その他の社会と離れた不思議な世界であったと言えます。しかし、すでに定員割れを起こしている4年制大学が出てきているように、いよいよ教育の社会も本格的な競争社会に突入しました。 このような環境の中で、広亀工業大学が目指す教育の方向は、学生に対する熱い「想い」を持って、「個性を尊重し、一人ひとりを生かす教育」を教育職員と経営事務職員とが相互に連携・協力して作り上げて行くことです。その際、特に教育職員にあっては、学生の個性を的確に把握し、個性に適合した多様な教育指導を行う必要があります。そのためには、個性を見出す努力と教育指導上の工夫に取り組まねばなりません。このことは、『教育は愛なり』という建学の精神と『常に神と共に歩み社会に奉仕する』という教育方針を具現化することにほかなりません。 国公立大学においても個性・特色のある教育の発揮に取り組んでいますので、これに対抗するために私学としては、建学の精神と教育方針に基づく独自の個性・特色ある教育を手作りによって築くことに全力で臨まなければなりません。その意味でも大学の教職員が一致協力をして、熱い「想い」によって「個性を尊重し、一人ひとりを生かす教育」を実現することが必要です。そしてこれが実現できるように、私も努力して行く所存です。 最新の学園情報として、学校法人鶴学園では、今年の4月より広島市佐伯区の新たな埋立地に『なぎさ公園小学校』を開校します。この小学校の設置を契機に、21世紀に対応する鶴学園の初等・中等教育の「教育目標」として、(1)21世紀型「高学力」の養成、(2)グローバル生活人の育成、(3)創造性の練磨、(4)リーダーシップ育成の4点を掲げました。 これにより本学園は、小学校から大学・大学院までを備えた総合学園となり、小学校・中学校・高等学校の一軍教育、高等学校間の協力、高等学校・専門学校・大学の連携などといった特長をいかんなく発揮し、厳しい環境を乗り越えてさらに発展して行きたいと考えています。そしてこの発展が、広島工業大学同窓会の活性化につながることを祈念しています。 最後になりましたが、平成18年には、学校法人鶴学園は創立50周年を迎えます。同窓生の皆様におかれましては、今後とも広島工業大学をはじめ、本学園への益々のご指導ご鞭撻を賜りますようよろしくお願いいたします。 ↑ このページのトップへ |
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