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 OBだより (第22回) 2001.09.25


(たはら・りょうじ)
田原 亮治 さん


岩国市経済部錦帯橋建設事務所 所長
(昭和45年(1970年)建築学科 卒業)
田原亮治さん

“名勝”『錦帯橋』 −平成の架け替え− 2001〜2003
錦帯橋
(きんたいきょう・山口県岩国市)

錦帯橋創建

錦帯橋は今から328年前の1673(廷宝元)年,第三代岩国藩主吉川広嘉公によって創建された。

岩国藩では,初代藩主広家公以来,城下町を二分する錦川に幾度となく架橋を試みているが,城門橋としての役目を持つ橋は,支持柱のある普通の木橋であったため,洪水が発生するたびことごとく流失し,流れない橋を架けることは岩国藩三代を通じての宿願であった。

錦帯橋架橋の構想から十数年の準備を経て,1673年6月28日に土台鍬初めの式(現在の起工式)を行い,その年の9月30日に完成した。着手から完成までわすか3ケ月という驚くべき期間で創りあげている。

苦労して創られた錦帯橋は,創建翌年の1674(廷宝2)年5月の梅雨の大雨によってあえなく流失したが,広嘉公の再建への決断は早く,流失の原因を徹底的に究明し,洪水が収まるのを待って同年6月に着手し10月末竣工された。

その後、1950(昭和25)年9月14日洪水にて落橋流失。実に276年目の事であった。1951(昭和26)年再建に着手、1953(昭和28)年完工式が挙行され、現在に至る。


平成の架け替え

(1)第一期工事
平成13年11月1日から平成14年4月30日まで(第3橋)
(2)第二期工事
平成14年11月1日から平成15年4月30日まで(第4・5橋)
(3)第三期工事
平成15年11月1日から平成16年3月30日まで(第1・2橋)
図−1 (岩国側が第1橋)
図−1 (岩国側が第1橋)

各工期とも,11月から12月にかけて迂回路及び支保工の設置を行い,年内に現橋の解体,年明けから3月末までに架橋を行う。(岩国側が第1橋)

解体・架橋期間中は,下図のとおり迂回路を通行して頂くことになるが,普段経験することのできない目線から,現橋の解体,架橋作業を見学しながら渡橋することができる。

図−1は,第一期工事の迂回路設置図であるが,二期,三期工事においても工事部分を迂回する通路を設置する。

この度の工事は約半世紀ぶりの架け替えとなり,今後も50年ごとに行われると思われることから,この機会に是非とも見学されることをお勧めしたい。

また,工事期間中(平成13年11月から平成16年3月末まで)は,インターネット上で錦帯橋をライブ中継するため,架け替えの状況をリアルタイムでご覧頂けるようH・Pでの情報提供を行う。

※岩国市観光課アドレス https://kankou.iwakuni-city.net/

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