Campus Guide 2017
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今日の著しい技術の進歩と発展が、我々に多くの快適性と利便性をもたらしたことは、疑うことはできないでしょう。 しかし、その結果として、回復不可能とも言えるほどの自然破壊が行われてきたことを、見逃すことはできません。その後、環境への負荷は、低減されるようになってきましたが、地球の温暖化、オゾン層の破壊、熱帯雨林の減少、動植物の絶滅、景観の破壊、精神や心の荒廃など、今や、環境問題は、国の範囲を超え地球規模で考えるべき問題です。 本学では、これまで培ってきた工学教育の上に、自然科学と社会科学、更には人文科学をも加え、人間の社会生活に密着した環境に係わる環境学部を我が国で初めて創設しました。本学部では、人間が生態系の一員として自然環境と共生し、恵み豊かな地球環境を保全・再生していく上で、自然環境系、社会環境系及び人間環境系の分野を融合した総合的視野に立ち、良好な環境の保全や形成を行う観点から物事を考察できる姿勢と能力を有した人材育成を行うことを目的としています。 「広島工業大学環境憲章」に照らしても、環境学部は必然であり、今後、大学の内・外の協力のもとに当学部の発展が期待されています。1.学部構成と人材育成 環境学部は、平成5年4月に発足した環境デザイン学科から始まり、平成11年4月には環境情報学科を増設し、更に平成18年4月には環境デザイン学科、地域環境学科及び地球環境学科の3学科構成となりました。平成22年4月に環境デザイン学科と地球環境学科の2学科体制への編成替えの後、平成28年4月から、環境デザイン学科を改組し、「建築デザイン学科」に生まれ変わり、地球環境学科との2学科構成となりました。 建築デザイン学科は、「心豊かな居住環境の実現を思考や判断の中心に置いた建築デザインに、高い倫理観と責任感を持って、意欲的に取り組む人材の養成」を、地球環境学科は、「地球環境問題に結び付く観測・分析・評価・計画のできる実践的な地球環境教育を中心に据えて、高い倫理観を持ち社会に貢献できる人材の養成」を行うことを目的としています。2.幅広い学びとカリキュラム構成 本学は広島修道大学との学生交流に関する協定を締結し、環境関連分野の教育研究の発展に寄与することとしました。環境学部においては自然科学系・技術系の立場から環境負荷の少ない環境共生・循環型社会を構築するための方法について学びますが、平成20年4月より広島修道大学の人間環境学部において、社会科学系の立場から一般社会や市民の環境活動に係わる授業科目を単位互換によって学ぶことができ、環境問題の解決に向けた理系・文系にまたがる技術者の養成にも配慮しています。 また、建築デザイン学科(旧カリ:環境デザイン学科)と地球環境学科との関連性も考慮した、大学院工学系研究科博士前期課程環境学専攻への進学の道も開かれています。 一方、環境学部のカリキュラムは、教養教育科目と専門教育科目という大きな系列で構成されています。教養教育科目は、環境学部に学ぶ学生にとって必要な学部共通科目として配置しています。専門教育科目は、それぞれの学科に係わる分野の新しい知識が反映できるように工夫を凝らしています。 心身共に完成期にある学生の皆さんが、幅広い教養と豊かな人間性を身に付け、先端分野の教育内容を修得することにより、環境共生型・循環型社会の創生に貢献できる技術者としての資質を得るように自己形成に努めてほしいと願っています。環境学部紹介大学院学則・諸規則課外教育活動学生生活修学HIT教育2016112
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