Campus Guide 2017
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 工学は、人々が心身共に豊かな生活を送ることができる環境づくりに必要な実践的な「ものづくり」を目指した学問です。したがって、工学部では人々の安全で快適な生活を支えるのに役立つ学問を学修することになります。今日の日本の発展は工学の貢献するところが非常に大きく、今後も社会から工学に対して大きな期待が寄せられています。 工学部は、学部ディプロマ・ポリシーを電子情報工学科、電気システム工学科、機械システム工学科、知能機械工学科、環境土木工学科、及び建築工学科の6学科を持って保証しています。いずれの学科も「ものづくり」をとおして社会に奉仕・貢献する人材を養成し、実践する学科です。その教育カリキュラムは、以下の点に重点をおいて編成されています。1.専門的な科学技術の基礎力の重視 今日の科学技術の水準は高度になり、それを理解するには専門基礎力の確かな修得が必要です。そのために、専門性への意識を高める導入教育として、ゼミナール形式による対話型教育により学修の目的を明確にし、専門の基幹科目では少人数教育を行います。また、数学・物理などの工学基礎科目で十分な理解力が得られない場合は、教育学習支援センターでの学習指導や学期内でのフォローアッププログラム、学期を越えた継続教育を行って、学士力を保証しています。このようにして、確かな学修目標を持ち、教育課程の順次性と関連性に基づき基礎力を確実に身に付けることによって、高度な専門科目の理解を容易にし、応用力の育成につなげることを図っています。学生諸君は、事前事後学習に努め、基礎学力を養成し、更に発展的に学習したい場合には、学びの幅と深さを持った“高次レベル科目”にチャレンジしてください。2.主体的に学ぶ体験学習を重視 著しい科学技術の発展とともに、社会からの工学技術者への期待も多様化・高度化し、より大きくなっています。したがって、自ら問題を提起、解決して、更には新しい技術を創造できる技術者を養成することが必要です。そのため、情報通信機器を必携にして、自ら学び続ける力を持って主体的・能動的に参加して講義を受ける、いわゆる「アクティブ・ラーニング(双方向授業)」や「体験学習」を専門教育科目に充実させています。このことにより、工学の専門をより身近なものにし、「ものづくり」の楽しさ、大切さを体感しながら学ぶように教育内容・方法を充実させています。3.多面的・総合的な知識や技術の涵養を重視 今日の成熟した社会からの要求はますます多様化・複雑化しており、従来の縦割型の細分化された学問分野の対応では解決しきれない状況になっています。その効果的な対策として、教養教育と専門教育の知識や技術を多面的にかつ総合的に、学問分野の横断的な学修ができるように教育課程表を柔軟に編成しました。予測困難な時代において、“答えのない課題”に主体性を持って最善解を導くことができる、広い視野を持ち、柔軟な思考を持って課題に対応できる技術を身に付ける技術者教育を目指しています。4.人間力豊かな技術者育成を重視 「ものを作る、ものを動かす」ことは、自立した一人ひとりの力を総合的な力として機能させ、多くの人の力が集まって協働することが求められます。 すなわち、個人の力とそれを集めた集団の力がうまく調和して目的が達せられます。そのため、技術者は専門的な知識・技術力を持っていることは当然ですが、そのほかに責任感、実行力、協調性、計画性、倫理観、コミュニケーション力、表現力などの全人格的な素養が要求されます。これらの能力は短期間では得られず、社会倫理やゼミナール、体験学習科目などの正課科目の受講に加え、正課外活動・インターンシップなどにも積極的に参加し、利他の心を持って他者との関わりの中で身に付く素養です。 これを可能にするため、自分の学修やキャリア形成への取り組みを記録に残し、それを適宜振り返りながら、人間性豊かな技術者育成を目指して、ポートフォリオシステム(HITPO)を導入し、活用を教育しています。 学びの環境や成長の機会にも恵まれた年齢にある皆さん、自ら将来の技術者像を思い描き、大いなる挑戦と努力をされるよう期待しています。工学部紹介大学院学則・諸規則課外教育活動学生生活修学HIT教育201660

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